マメの家での不幸を受けて、こっちは家のスケジュールを大調整。
母親の病院予約、ヘルパーさん、入浴介助サービス、役所等々・・・を全部変更。
気づけばあっちこっちでダブルブッキングが生じてえらい騒ぎになりつつも、とにかく動いた。
筋肉痛もなにもかも気づく暇さえないぐらいに動いた。

そんなある日の早朝、部屋に響いた大きな音に目覚める。
目覚めのまどろみなんて覚える間もないほど、こういうときは職業柄なのか意識が瞬時に戻る。
目の前に映ったのは倒れて痛がる母親の姿。

どうやら俺の手を煩わせまいと、自分でポータブルトイレのパックを交換しようとしたらしい。
右額部、右胸から腹部にかけて思いっきり打ち付けたようだ。
すぐに聴診器と血圧計、体温計を取り出して容体を観察しながらバイタルチェックと触診。
異常こそなかったものの、痛みを訴えてその日は一食もできなかった。

翌日、病院で消炎鎮痛貼付薬モーラスを処方してもらい、経過をみることに。

今の母親にとってベッドからトイレまでのわずか7mは 「10km以上あるみたい」 に遠いものらしい。
そしてベッドのすぐ脇に設置したポータブルトイレでさえ 「500mを全速力で走るようなもん」。

母親には無理・無茶はしないように念を押して、痛みがとれるまで安静にするよう話しておいた。

ある友人は 「お母さんのこと甘えさせすぎじゃないの?」 という。
でもね、母親の悪性中皮腫は進行さえするけど、快方にに向かうなんてことはないんだよね。
その生命が尽きるまで、俺は後悔するような看護・介護はしたくない。
命を預けるほど、俺に甘えてくれる人がいるだけでもありがたいことだよ。


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ヤバい寸前!◇ ◇マメのおばあちゃんのその後